市民の皆さまへ
DNA多型とは
DNA多型という耳慣れない言葉に戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。
全ての生物が遺伝情報の設計図として持っているDNAですが、
例えば、クロマグロとキハダマグロでは同じマグロでもその配列は違います。
また、ヒトでも、親子の顔は似ていても違うようにDNAも全く同じ配列ではありません。
このようにDNAは生物の種類や個体の間で多様性があります。
これをDNA多型と呼んでいます。
このDNA配列の違いを発見し、有効利用することによって店頭に並ぶマグロの種類に誤りがないことを確認する方法や、
親子などの血縁関係の判定に有効な方法の開発を目指すのが私たち日本DNA多型学会です。
DNA鑑定の適切な運用を目指して
最近では“DNA鑑定”という言葉も日常用語となりましたが、
DNA分析の技術革新や対象となる試料の変遷などにより、
その実態は多様化、高度化してきています。
この状況の中でも鑑定という実務では質の保証された検査を適切に実施しなければなりません。
その実践のために日本DNA多型学会では1997年に「DNA鑑定についての指針」を発表し、
2012年にはその改訂を行いました。このように、私たちはDNA多型に纏わる研究の推進を通して、
DNA鑑定の適切な運用を目指した活動を展開しています。
これからも私たちの研究成果が皆さまの暮らしのお役に立てるように努力して参ります。
ご理解とご支援をいただけますようお願い申し上げます。