日本DNA多型学会
公開シンポジウム (2階:イベントホール)
「環境を考える − DNAでわかる環境変化 −」
「DNA多型分析による環境診断の試み」
日時:平成21年 11月18日(水)14:00〜18:00
場所:久留米大学医学部筑水会館2階 イベントホール
〒830-0011 福岡県久留米市旭町67
コンビーナー:柳本 卓(遠洋水産研究所)、
小林敬典(中央水産研究所)、
北村 徹(日本エヌ・ユー・エス(株))
連絡先: 柳本 卓 遠洋水産研究所
〒236-8648 神奈川県横浜市金沢区福浦2-12-4
TEL: 045-515-3351 yanagimo@fra.affrc.go.jp開催趣旨
このような自然環境の変化は,そこに生息する生物集団あるいは生態系に対して,何らかの影響を与えていると考えられるが,DNA多型を用いた分析技術を用いて,環境変化によって変化した生物集団や生態系を捉える事が出来ないだろうか?本シンポジウムでは環境の分野で,DNA多型技術を用いて生物を分析することにより,環境の変化を捉えるといった課題に取り組んでいる研究者の方々に,現在の研究状況,直面している問題点などを紹介して貰う。さらに,これらの視点から環境保全,遺伝的な保全について議論していく。
近年,人為的な行動が原因と考えられる,様々な環境変化が起こっている。例えば,地球温暖化によって北極海における氷が減少して,ホッキョクグマの生息環境が無くなりつつあるといったニュースは,多くの人達に知られている。同様に,地球温暖化に伴い海水温が高くなることによって,30年後にはシロザケが日本沿岸には遡上しなくなるという研究報告もある。その他にも,人間の社会活動によって自然環境が変化した例としては,船舶のバラスト水に混入した生物が,バラスト水放水時に外来種として侵入して,停泊水域の生態系に影響を与えたり,あるいはダムにより堰き止められた川では,ダムを挟んだ上流域と下流域とで生態系が変わってしまったといった様々な報告を目にする事ができる。
シンポジウムプログラム
司会:北村(日本エヌ・ユー・エス(株))
開会挨拶:水口 清(東京歯科大学、DNA多型学会長)14:10〜14:30:柳本 卓(遠洋水産研究所)
シンポジウム趣旨説明,および水域環境の変化とその診断事例の紹介14:30〜15:00:長井 敏(瀬戸内海区水産研究所)
有害・有毒プラントン−DNAからかわる分布拡大メカニズム15:00〜15:30:津田とみ(徳島文理大学,東海大学医学部),猪子英俊(東海大学医学部)
DNA多型分析による南極の生態環境診断の試み15:30〜15:45:休憩
15:45〜16:15:松木吏弓((財)電力中央研究所)
DNA情報を利用した中型哺乳類の個体数推定16:15〜16:45:正岡哲治(養殖水産研究所),小林敬典(中央水産研究所)
真珠貝で海の移り変わりを捉える−DNAを用いた種判別の応用−16:45〜17:00:休憩
17:00〜17:30:総合討論
閉会挨拶:小林敬典(中央水産研究所)