日本DNA多型学会 第20回学術集会

 日本DNA多型学会 第20回学術集会について

 本年3月に発生した東日本大震災で被災された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興を祈念いたしております。

 

 このたび、日本DNA多型学会 第20回学術集会を、2011年12月1日(木)と2日(金)の両日にわたり、横浜にて開催いたします。つきましては、内容を簡単に紹介いたします。

 

 生物種の多様性と進化の過程に関する理解は、近年のゲノム研究から革新的に進展してきました。ゲノムにおけるDNA多型現象を分子生物学的基礎として、種から個体までの‘生命の多様性’が生み出されているのです。例えば、体質と呼ばれてきた疾患や薬剤感受性の個体間での差異は、主にDNA多型現象に起因し、テーラーメード医療に展開する端緒が開かれています。本学会は、DNA多型解析をヒト個人の識別や農林水産物の品種や産地識別などへ応用することを主な対象として展開してきました。今回の東日本大震災でも、犠牲者の身元確認に当たっている会員が少なからずおります。本学会の目的は、DNA多型解析の応用を通して、社会に貢献できるような研究を推進してゆくことにあります。

 

  学術集会は一般演題の発表を中心に進行しますので、会員各位から多くの演題応募をお待ちしております。さらに、財団法人東京都医学総合研究所所長 田中啓二 先生からプロテアソームについて、筑波大学大学院人間総合科学研究科 准教授 大橋順 先生から集団遺伝学について招待講演を予定しております。参加者との活発な議論が展開されることを期待しております。

 

  今回は、前日の11月30日(水)に、徳島文理大学・東海大学 津田とみ 先生と独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所 柳本卓 先生のお世話により、同会場にて「DNA多型から見た生物の多様性」というテーマで、公開シンポジウムも併せて開催することになりました。このシンポジウムは、非会員の方でも自由に参加できますので、多くの方のご参加をお待ちしております。 会員、非会員を問わず、多くの方に参加いただけることを、心よりお待ち申し上げております。

 

第20回学術集会 学術集会長 大澤資樹(東海大学医学部基盤診療学系法医学分野 教授)

C)日本DNA多型学会 2010