このたび、日本DNA多型学会 第24回学術集会を、本年11月19日(木)・20日(金)の両日にわたり、岡山大学津島キャンパス「創立五十周年記念館」にて開催させていただきます。
DNAの多型現象を基礎とした解析技術は、法医学分野ばかりではなく、進化研究、農林水産物の種・品種判定、生態調査など極めて広い領域で着実に実用的な成果を挙げてきております。
最近、次世代シーケンス技術、新たなDNA検出・判定方法の開発など、特にDNAを対象とする研究手法に著しい進展がみられます。本研究集会におきます研究発表と討論、懇親会での交流などが、新たな技術や知見を利用した実用的なDNA多型解析法開発の契機となりますことを願っております。
学術集会では、お二人の先生に招待講演をお願いいたしました。長年、本学会の重鎮としてご活躍されている、水口清先生(東海大学医学部客員教授)には、「戦没者遺骨の鑑定を目的とした複雑事例の血縁関係の証明」という演題でのご講演をいただきます。戦没者遺骨の鑑定は、ヒトのDNA型鑑定におきます最重要課題の一つです。厚生労働省の専門家会議のメンバーとしてご活躍された先生からは、会員の皆様のご関心の深い内容をお話ししていただけるものと思います。また、広島大学理学研究科の山本卓教授には、「ゲノム編集技術の基本原理と限りない可能性」という演題でのご講演をいただきます。ゲノム編集は、遺伝子の特異的な破壊や置換を可能にする革新的遺伝子改変技術で、「限りない可能性」が期待されています。山本先生は、その第一人者として、ゲノム編集コンソーシアムの代表を務められておられます。この革新的なDNA改変技術の、基本から将来展望まで、会員の皆様にとってたいへん興味深いお話しをうかがうことができるものと思います。
岡山大学津島キャンパスは緑あふれるキャンパスですが、11月中旬は、黄色く色づいた銀杏並木や美しく紅葉するカイノキ(楷樹)をご覧いただけます。多くの学会員の皆様に、岡山を訪れていただきますよう、心よりお待ち申し上げます。
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